今年の夏休みは「みんなで作ろう夏休み」というテーマを設け、おでかけで行きたいところ、したいことをみんなで話し合って行き先を決めました。話し合いの中で、「食べることの楽しさを知る」「身近な食べ物のルーツを知る」など、食に関するみんなの興味が集中したことから、食のテーマパークとして有名な「新横浜ラーメン博物館」がおでかけの行き先として決定しました。
また、昭和30年代の町を再現したラーメン博物館の町内には、とてもユニークな昭和の町の住人たちがいます。町の住人に聞き込みをしながら答えを探す館内クイズラリー「怪盗ナルト仮面大捜査線」はラーメン博物館のおもしろさの一つです。
「食とコミュニケーションの楽しさを味わう」ことを目的とし、ラーメン博物館へ向かいました。
【ラーメンを知ろう!】
昭和の町に足を一歩踏み入れると、二人のラーメン博士が私たちを歓迎してくれました。二人のラーメン博士は、紙芝居を使って楽しいクイズ形式のラーメン講義をしてくれました。
明治初期、港町に中華街が誕生し、そこで提供されたことから広まったとされているラーメン。はじめに塩ラーメンが伝播し、日本古来の調味料である醤油と融合してできた醤油ラーメン、寒い北海道で味噌汁を入れたら温まりそうだという発想からできた味噌ラーメン、豚骨を強火で長く煮込みすぎたことから偶然生まれた豚骨ラーメン…それぞれのスープの味ができた由来を聞いて「へぇ~!」と目を丸くして聞き入っていました。
私たちが普段口にしている様々な食べ物…材料や作り方は知っていても、どのような経緯で日本に伝播したかを知っている食べ物はそう多くないのではないでしょうか。相手のことをよく知った上で関わるとより親近感が増す人間関係と同様で、食べ物に関しても、知識を得ることでより身近に感じられ、以前よりももっとおいしく感じることができるのでしょう。
【ラーメンを食べよう!】
ラーメンに関する知識を得て、ラーメンへの興味と食欲がさらに増したところで、実際にラーメンを食べました。「いつも食べているラーメンと全然違う!」と麺の太さや茹で加減の違いから麺の食感が変わることを発見する子や、お友だちとラーメンを交換し合い「入っている具材は同じでもスープが違うだけで全く違った味が楽しめるんだね」と何通りも楽しめるラーメンに魅力を感じながら箸を進める子もいました。
テーブルを囲んでお友だちと向かい合って同じ物を食べ、「おいしいね!」と共感し合うと、みんな自然と笑顔になる…食のシーンにはコミュニケーションがあることを改めて実感することができた時間となりました。
【怪盗ナルト仮面大捜査線にチャレンジ!】
後半は館内クイズラリー「怪盗ナルト仮面大捜査線」にチャレンジしました。館内の鶴亀町、蓮華町、鳴戸町を歩きながら、8つの問題を解いてキーワードを見つけ、集めたキーワードから一つの言葉を探すという内容です。
町内のことを知り尽くしていないと答えを見つけ出すのは難しいため、いかに町の住人と上手にコミュニケーションをとり、ヒントを得られるかがこのクイズラリーをクリアできるかのポイントとなります。町の住人にヒントを聞きながらみんなと力を合わせて時間いっぱいまで答え探しに奮闘しました。クイズの答えを探しながら昭和30年代の暮らしや町並みが再現された館内のオブジェや小物に触れ、現代との違いを体感しながら平成生まれのみんなにとって異空間な昭和の町を堪能していました。
また、町内の駄菓子屋・夕焼け商店では、一人100円の金額内に収まるように計算しながら買い物かごに入れて支払いをする、お買い物体験もしました。
知識を得ることでその物をより身近に感じることができる、「おいしいね」と共感し合うことで生まれるコミュニケーションがある、問題解決のために周りの人の助けを借りることで新たな発見がある…ことを体感することができ、「あと100回行きたい!」「来年も再来年も行きたい!」「今までのおでかけで一番楽しかった!」ととにかくみんなに大好評のおでかけとなりました。
(金沢八景YMCA学童クラブ 渋谷 萌子)