2012年4月11日水曜日

総主事コラム「こもれび」2012年4月



「喜び分かち合う」


生まれる前から神様に
守られてきた友達の
誕生日です、おめでとう
生まれて今日までみんな
から愛されてきた友達の
誕生日です、おめでとう


(こども讃美歌116番)

 誰でも一年に一度誕生日を迎える。多くのつながりの中で生かされていることを感じ喜び恵みを分かち合う日だ。YMCAを支えてきた二人の大先輩が100才を迎えた。聖路加病院名誉院長日野原重明さんとかつて日本YMCA同盟総主事で、その後東海大相模高校校長等を歴任した池田鮮さんだ。お二人とも戦前、戦中、戦後とYMCAで活動されてきたYMCAの指導者であり、青年時代に日本軍の統治下で苦しむ中国の人々のために医療や、教育の分野で奉仕した。その経験から戦後、それぞれの立場から死を見つめ、命の教育を通して平和への働きに尽力されている。
 日野原先生は今も各地で講演会をされ、誰でも人生の最後に、人として見守られ愛されていることの大切さを語っていられる。池田さんは100才を祝う感謝会で、自ら冒頭の子ども讃美歌を参加者全員で手を繋いで歌って欲しいと希望した。保育園の誕生日会を思い出した。保育園ではお友達の弟や妹がお母さんのお腹にいる時から、無事に生まれるようにと祈ったりしているから子ども達は、「生まれる前から守られてきた」という事を実感して大きな声ではじけるように歌う。子ども達と歌うのは慣れていたが100才のお祝いで歌うのは感無量だった。命を与えられた喜びがあふれていた。そして語った。「暖かくなったら、これからの子ども達のために脱原発のデモに行く」と、今も未来に向けて平和の歩みを続けている。
 神様に守られ、愛されている喜びを分かち合う時を大切にしたいと思った。
(横浜YMCA総主事 田口 努)
*写真はYMCA保育園のお誕生日会