2011年4月5日火曜日

東日本大震災被災者支援活動報告③

横浜YMCAでは、東日本大震災による被災者を支援していくため、日本YMCA同盟による支援の一環として職員派遣を全国協力として行っています。3月28日(月)~4月4日(月)の8日間にわたり、青木信哉スタッフ、三上 淳スタッフの2人は、岩手県宮古市にある日本基督教団宮古教会を拠点に、教会の片付け・掃除、スタッフ・ボランティアの受け入れのための整備、地域からの支援についての聞き込みなどの活動を行いました。以下は2人からのレポートです。
4月1日、現在活動の拠点になっている日本キリスト教団宮古教会は付属の幼稚園も行っています。その卒業生2名がボランティアとして活動を共にしています。中学1年生・小学6年生の兄弟です。自分たちにできることは何か、町が元気を取り戻すにはどうしたらよいのか・・・彼らの姿は、笑顔は、被災された方に元気を与えてくれます。その笑顔の輪が広がり、少しずつ町も活気を取り戻してきました。まだ長い道のりなのですが、彼らの背中に大きな希望を感じました。ここ数日、ボランティア作業を行った方からの、ご紹介が増えてきました。「宮古教会にボランティアの人がいるよ!」「○○さんに聞いたのですが、家の様子を見てもらえませんか?」ご紹介も嬉しいですが、地域の皆様同士が「一緒にがんばろう!」と、支えあい励ましあう姿が見られることが何よりも嬉しかったです。最初にも記載した兄弟、市民ボランティアとして活躍している高校生、高齢の方、そして日本だけではなく世界の方が、思いを持ち続け、活動していかなければと強く思いました。あと数日ではありますが、笑顔、悲しみなどに寄り添い、活動を精一杯取り組んでいきます。
4月2日、宮古での最後の夜を迎えました。横浜の地から宮古を支える働きができるよう、この宮古でしか感じられない多くを持ち帰りたいと思います。中通りに面する店舗は清掃までを終え、再開の準備を整えている姿が目立ち始めました。一方で、少し路地に入れば、店舗再開のためにメイン通りに出せない分を含めた瓦礫が高く積まれ、狭い路地をさらに狭くいています。問題は、自主的な清掃を行うことが可能な住宅と、高齢者など自力での片づけが困難な住宅との間に、大きな状況の違いがあることです。震災後3週間を過ぎるというのに、ほとんど片づけが進んでいなかった高齢者住居の片づけを現在は2件お手伝いさせていただいています。始めてお宅の中を拝見させていただいた時、どこから手をつければ良いのかわからず、倒れた大きな家具の間で、腰を屈めながら荷物をただただ左右へ動かしていた様子が伺えました。残念ながら津波の海水で使用に耐えないタンスの配置を懸命に伝え、半ばパニック状態です。私たちは、こうした方の心をゆっくりとほぐし、部屋の中の一部分ずつを綺麗にすることで、希望の光を見出していただけるよう働きかけています。地道な取り組みですが、片付けだけが目的ではなく、更にその先にあるそれぞれの生活を見据えることが、何よりも大切だと思います。宮古市中心部より離れた避難所では、小さな集落らしい住民同士の絆を強く感じられますが、市街地では、お隣の独居老人にさえほとんど手を差し伸べていないケースもあります。私たちの滞在中は取り組めませんでしたが、地域の人々が共に助けあえる支え合えるよう呼びかけることも、YMCA宮古ボランティアセンターとしての、今後の課題のひとつです。住民同士が支え合える絆を強めることは、今後長く続く復興への歩みの中で欠かせない重要な要素であると考えます。
(富士山YMCA 三上 淳 ・ 三浦ふれあいの村 青木信哉)