2010年4月9日金曜日

子育てランド 2010年4月号

子育てランドとはYMCA保育園から毎月発信する子育てに役立つ情報です。各保育園の専門職員の現場での経験をもとに、すぐに役立つ「豆知識」をご活用ください。

子どもに大切な遊び場

ここ20年ほど、子どもの運動能力の低下が問題になっています。転んだときに手が出ない、まっすぐ走れない、ジャンプで着地できない…など。その原因として、外遊びの「時間」、遊び場「空間」「仲間」が少ないことが取り上げられています。昔の子どもは今のようにテレビやゲームもなく、外で遊ぶ「時間」がたくさんありました。「空間」は整備された公園ではなく、でこぼこ道があったり、とびだした枝などがあったり、その中で遊ぶことが瞬時に状況判断をして、走りながら避けたり、予測しながら身体が動く力となりました。また近所の5歳から12歳までと年齢の幅が広い10人以上の「仲間」で遊ぶことが、自然と社会性を身につけていく力になっていたようです。今日、この「3つの間」が減少したことは、運動能力の低下だけに止まらず、「動作・行動」から「社会性」の発達の異変へとつながっているとも言われています。こうした状況の中で、大人は子どもたちにどのような環境を作ってあげたらいいのでしょうか?まずは、以前は就学前までには身に付けていたといわれたことが、今では自然にまかせていても身に付かなくなっていることを理解し、これからは『3つの間』を意識的に取り入れていくことが大切です。そして理屈ぬきの子ども同士の関わり、遊びの経験の小さいころからの積み重ねを大切にしてあげましょう。子どもの遊びには、大切なことがいっぱい詰まっているのです。
(YMCAとつか乳児保育園主任 後藤基子)