YMCAとつか乳児保育園では、栄養士と調理師の手による給食を実施しております。
国産の食材を中心に、心を込めて調理しています。食事の時間帯、給食職員は、できるだけ子どもが食べている様子を見に行くように、心がけております。ですが、状況によっては、給食職員が見に行くことが難しい事もあります。
そのような時、子どもの食べている時の様子や、気付いたことを保育士さんが教えてくださることも多く、助かっています。
ある日、フルーツヨーグルトに入っている果物が苦手な人が多いのよね、と、ある保育士さんが伝えてくれました。食べてもらうにはどうしたらよいのだろう?と、給食職員と保育士さんで相談した結果、果物をフルーツソースに加工して提供してみよう!ということになりました。
提供日の当日、プルーンソースと、パインと黄桃のミックスソースが完成しました。ここで、洋菓子店での勤務経験のある給食職員が、素敵なアイデアを出してくれたのです。
まず、器に盛り付けたヨーグルトの上に、片方のソースを、1cmくらいの円形にたらします。それを、あと2回繰り返します、もう片方のソースでも、同じように、3つの点を作ります。次に、竹串を、ソースの円の中心に挿し、隣り合う円の中心に向かって滑らせます。
すると、ソースがハート形になるのです見た目もかわいらしいヨーグルトが、完成しました。
結果は、大好評。普段、フルーツをあまり口にしない子どもも、進んで食べてくれ、中には、おかわりを希望する人も現れました。
職員からも「まるでホテルのデザートみたい」と、歓声が上がりました。給食職員にとって、ひと工夫することで得られた「よく食べていたよ」の言葉は、何物にも代えがたい、宝物のような瞬間です。
加工せず、そのままの姿で食べる事も貴重な体験ですが、一口、口にしてみることで、開く扉もあると考えています。
ひとくくりに「甘い」と言いますが、その中には、様々な「甘い」があります。さわやかな甘さ、濃厚な甘さ、甘酸っぱさなど…。幼いころから様々な味を体験し、長い人生を、豊かな食生活で彩ってほしいと願っています。
子どもが、手を伸ばしたくなるような給食作りを、これからも心がけるとともに、保育士さんから気軽にご意見いただけるような関係を、継続していきたいと思います。
(とつか乳児保育園 金山千晴)