2014年3月22日土曜日

絵本の世界で過ごす1日

YMCAとつか乳児保育園 保育活動のご報告
 「めっきらもっきらどおんどおん」という絵本を知っていますか?遊ぶ友だちが見つからない“かんた”が、神社で3人のおばけたちと出会って一緒に楽しく遊び、不思議の世界を満喫するという冒険のお話です。おばけたちの見た目はちょっと怖いのですが、乳児保育園の子どもたちにずっと人気の絵本です。
ある日の朝、ほしそらぐみ(1、2歳児)が「めっきらもっきらどおんどおん」の読み聞かせを聞いていると、窓からおばけの1人の“おたからまんちん(のお面をした仮装した保育者)”が登場しました!突然の登場にびっくりして室内は静まりかえっていましたが、おたからまんちんが持っていたメッセージを読んだ保育者が「“いっしょにおたからさがしをしよう”だって!園庭に行ってみる?」と声をかけると、「…いく!」と、ちょっと困惑しながらも身じたくをしていました。
おたからまんちんが、お宝(保育者が持ち寄ったビー玉などです)を箱に1つ入れて見せると、子どもたちはさっそく園庭の砂場にあるたくさんのお宝に目を輝かせながら、夢中でお宝を集めていました。始めのうちは“おたからまんちん”が怖くて部屋の中にいた子も、しばらく様子を見ているうちに他のお友だちの楽しそうな様子が伝わったようで、少しずつ園庭に出てお宝探しをし始めていましたよ。

お宝探しが終わると“おたからまんちん”に見送られて、お散歩に行く事にしました。お散歩先の森の入口で、階段の上に不思議な人影が…。「誰だろう、行ってみよう!」とみんなで近づくと、なんと2人目のおばけの“しっかかもっかか”でした!“しっかかもっかか”の持っていたメッセージには“いっしょにモモンガーごっこをしよう!”と書かれていました。モモンガーごっことは絵本にも出てくる遊びで、風呂敷をマントのように巻いて飛んで遊ぶものです。“しっかかもっかか”に風呂敷をもらい、森の中を飛ぶように走る姿は本当のモモンガのようでした。しばらく一緒に遊ぶうちに“しっかかもっかか”がやさしい事が伝わったようで、握手や抱っこをしてもらったり、中には「ずっと友だちだよ」と話しかける姿も見られました。
“しっかかもっかか”が帰ってしまうと、2歳児の中には「“もんもんびゃっこ”がまだきてないねー」と3人目のおばけが来ていない事を気にする声が聞かれていました。するとお昼寝後、みんなが目覚めると待ちに待った3人目のおばけの“もんもんびゃっこ”がおやつのワゴンを押して登場しました。
 おやつは絵本の中に出てくる“おもちのなる木”になるピンクと白のお餅で、合言葉を言うと、給食の職員特製のいちごのソースを“もんもんびゃっこ”がかけてくれます。合言葉は絵本のタイトルでもあり、保育者が「めっきらもっきら!」と言ったら「どおんどおん!」と答える、というものです。間近で見る“もんもんびゃっこ”に緊張しながらも、合言葉を言い嬉しそうにお餅を食べていました。1歳児の中では「おやつ、おもちいっぱいたべた」とおうちの方に報告するほど、お餅が印象に残った子もいたようです。
絵本の世界に触れながら1日を過ごす中で、子どもたちはおばけ達(に扮した保育者)と遊び、怖がったり、関わって楽しんだり、「あれ○○先生なんじゃないの?」と疑いながらも絵本の中から出てきた事を信じているような様子が見られ、絵本のイメージがそれぞれの心に広がった日となりました。2歳児は3月で乳児保育園を離れる事になり、このメンバーで過ごす日も残り僅かですが、楽しい思い出の1つとなってくれればと思っています。
(とつか乳児保育園 多田もとみ)