2013年12月5日木曜日

総主事コラム「こもれび」2013年12月


「恵みの光」


世界ではじめてのクリスマスは
ユダヤの田舎のベツレヘム
宿にも泊まれず家畜小屋で
マリヤとヨセフの二人だけ
赤子のイエスさま草のうぶ着
ゆりかご代わりのかいば桶
やさしい笑顔に見守られて
恵みのひかりが照らすだけ
(作詩 山内修一)     

 「世界ではじめてのクリスマス」というゴスペルフォークというギターの伴奏で歌う讃美歌の1番の詩だ。2番、3番を歌うとクリスマスの様子が分かり、明るく暖かい気持ちになる曲で、子どもたちの讃美歌として良く歌われる。
 この時期、キリスト教主義の幼稚園、保育園、小・中学校では、クリスマスページェント(聖誕劇)が行われ、この詩のような世界で最初のクリスマスの様子が繰り広げられる。かつて北YMCAで視覚障がいのある子どもたちのプログラムを担当している時、目で見えるクリスマスの聖誕劇はできないけれど、この歌をみんなで歌って心の中で見える歌の聖誕劇といって、心を込めて歌ったことを思い出す。
 彼らは、目は見えないが感性は豊かだった。「家畜小屋って寒いよね、臭いよね」「草のうぶ着って、ちくちくだし、かいば桶って餌の箱で汚れているね」という声に「かわいそうで、貧しそうなのに、神さまから光をいっぱいあびてやさしい笑顔なんだ、不思議」「幸せじゃなさそうなところに生まれて恵の光りをいっぱいにくれるからクリスマスなんじゃないの」という笑顔の声があがった。リーダーも「イエス様の誕生日なのに、みんながプレゼントをもらうのも、自分がもらうより、みんなが喜ぶことを喜ぶのがイエス様の生き方かも」と応えクリスマスの意味を考えるひと時だった。恵みの光がみなさまを照らしますように。
(総主事 田口 努)
写真はYMCA保育園のクリスマスページェント