おままごとでおかあさん役をやりたいさっちゃんは、「さっちゃんはおかあさんにはなれないよ!だって手のないおかあさんなんて変だもん。」という友だちの言葉に深く傷つきます。さっちゃんの右手には指がないのです。しかし指のない手を、「不思議な力をくれるまほうのて」と言ったさっちゃんのお父さんの言葉で、さっちゃんは辛い現実を乗り越えるきっかけを得ます。
きりん組のこどもたちは、保育者が読み聞かせをする間,声も発せず食い入るように聞いていました。読み終えて「どうだった?」と感想を聞いてみると,普段は元気いっぱいの男の子が,涙をごしごしぬぐいながら「悲しかった。こころが・・・。」とつぶやきました。他のこどもたちも言葉にはしないものの何かを感じているようでした。こどもたちの心に、差別や偏見のない平和な世界とは何か、を伝えられた大切なひとときになりました。
(YMCAとつか保育園 下田彩子)