2013年8月10日土曜日

総主事コラム「こもれび」2013年8月

「平和を残すために」

生きている鳥たちが 
生きて飛び回る空を 
あなたに残しておいて 
やれるだろうか父さんは 
目を閉じてごらんなさい
山が見えるでしょう 
近づいてごらんなさい 
コブシの花があるでしょう
生きている魚たちが
生きて泳ぎ回る川を 
あなたに残しておいて
やれるだろうか父さんは(中略)
生きている君たちに
生きて走り回る土を
あなたに残しておいて
やれるだろうか父さんは
目を閉じてごらんなさい 
山が見えるでしょう
近づいてごらんなさい
コブシの花があるでしょう
(私の子どもたちへ  詩 笠木透)

 8月を迎え、今年も広島でYMCAユースピースセミナーが開催され、世界各地からの青年と共に横浜YMCAからもユースたちが参加する。
 広島平和博物館や原爆記念館を訪れ、戦争や原爆投下の現実を知る。過去に互いの先達が血を流しあった国の青年同士が戦うことなく、二度と原爆が投下されないような平和を生み出すために、どうしたらいいのかを議論し考える。「平和は、日々つくるもの」「日頃から誰でもその人らしく生きるための人権を脅かすことに敏感であること」「いじめや暴力も人権を奪うこと。主張ばかりでなく相手を尊重し、思いを聞き理解すること」「文化や宗教の違いを認め、共に生きることを考えることが大切である」など青年たちから様々な意見が出る。毎年、議論し悩み笑い合った仲間と別れる日には涙が止まらない体験をする。共に過ごし心が通う平和を体感する。
 終戦の夏、平和を考える時を家族や仲間と持ってほしい。平和川柳を読みながらもいい。あなたに平和を残すために。
総主事 田口 努
写真は8月に行われた第35回YMCA国際青少年平和セミナーin広島から