2012年2月6日月曜日

つらい生活のなかでの出会いと友情


清風幼稚園クレディスイス・YMCAふじさんキャンプの報告


 1月18日(水)~20(金)、富士山YMCAにて、いわき市の清風幼稚園16名(年長児13名と引率者3名)を招待してキャンプを実施しました。
 原発事故の影響で、外での活動は制限を余儀なくされているという現状を聞いておりますが、このキャンプは昨年の夏以降子どもたちが大自然の中で心や身体を解放して、思いっきり遊んでほしいという願いのもとクレディ・スイス等の支援をいただき実施しているもので、清風幼稚園が参加5園目となります。
<1日目>
初日、富士山YMCAに到着し、開村式を終えてから、早速子どもたちは草原に駆けだして行き、斜面を縦横無尽に走ったり、転げまわったりしてエネルギーを爆発させました。やがて誰かの「お家をつくろう!」との掛け声の下、みんなが草刈り後のわらを集め始め、わらの家はみるみる大きくなりました。そのうち誰かが「窓をつくろう!」と側面に穴を堀りはじめ、あちこちから掘ったトンネルからが開通し、みんなが潜り始めました。そして最後にはわらの家の上でみんなが飛び跳ねました。みんなで一つのイメージに向かって、クリエイティブに遊びが広がっていくエネルギーは圧巻でした。
夕食、入浴後、夜は静かに暖炉の前で、火を見つめながら、マシュマロを焼いて、ホットミルクを飲み、温まって過ごしました。ふりかえりとお祈りの後、床につきました。
<2日目>
 朝の礼拝では、上竹裕子牧師によるメッセージを聞き、祈り賛美しました。そして草原に出て、清風幼稚園のみんなで作った旗を掲揚しました。
 この日は、空気の冷たさを感じないくらいの晴天で、水ケ塚公園へ行って雪遊びをしました。雪の状態も良く、自然の中で思う存分そり遊びができました。雪遊びやそりは初めてという子もいて、大はしゃぎで雪の上を駆けまわっていました。「先生見て―!」「いっしょに滑ろう!」という子どもたちの声に、大人たちも汗だくになりながら子どもたちと一緒に楽しい時間を過ごしました。
この日の午後も、凧揚げ、バイク、花火などで、またまた遊び尽くしました。夜のキャンドルファイヤーでは、YMCAあつぎ保育園ホサナと合同で交流の時を持ちました。2園から代表の子どもが一緒に点火し、礼拝を守り、楽しいゲームで盛り上がりました。最後にホサナの子どもたちから清風の子どもたちに一人一人CDバッチを手渡し、記念写真を撮ってこの日を終えました。
<3日目>
 昨晩からの雪で、富士山YMCAもすっかり雪景色となりました。朝の礼拝は清風幼稚園とホサナとで一緒に持ちました。お祈りの仕方も微妙に違い、子どもたち同士で文化の違いに興味津津で、これはとても良い体験でした。朝食は同じテーブルで交互に混じって食べました。まだ恥ずかしくて、ちょっと緊張していましたが、徐々に自己紹介をして、話し始めました。短い時間でしたが、清風幼稚園のバス見送りの時に「○○くん元気でねー!」と声をかけるくらい仲良くなった子もいました。2つの園の子どもたちにとって、新しい友だちができる素晴らしい体験になりました。
 閉村式では、リーダーから子どもたちへ一言ずつメッセージの言葉を伝えました。清風幼稚園からは、YMCAへみんなが作った旗をくださり、また、子どもたちからリーダー一人一人へ手作りのネックレスをプレゼントしてくれました。最初の子がリーダーにネックレスをかけながら、感極まってわーっと泣き出し、大人も泣いて感激の閉村式となりました。
園長の吉田先生は、今回のキャンプが子どもたちにとって大きな自信になったとおっしゃっていました。子どもたちの生命が、このような時間を求めていたのだと改めて実感し、活動継続の必要性を痛感しました。今後、同じ時を過ごしたホサナの子どもたちと清風幼稚園との交流も深めていきたいと考えています。ご参加くださった清風幼稚園の皆さんはもちろんのこと、このような機会を与えてくださったクレディスイスをはじめ、皆様に感謝いたします。いわきの子どもたちとの再会を願い、報告させていただきます。
(YMCAあつぎ保育園ホサナ 齋藤信)