「おうちがゆれた」
おうちがゆれたこわかった
でんきがきえて、
まっくらにだんだんさむく なってきて
ちいさな こころがふるえてたでも
あなたのえがお だいすきだよ
みんなの えがおでげんきになれたよ
しんぱいしないで なかないで
どんなにゆれても だいじょうぶ
あなたはだいじなたからもの みんなを
まもるよぜったいになくしたものは
たくさんで きえないおもい せつなくて
なみだがポロリ こぼれたよ あなたを
みるのがつらかったでも、もらったのもは もっとたくさん みんなでたすけあって
なかよくなれたよすてきなみんなにあえたから かみさま ありがとう
(新潟中越、保育園文集より)
6年前の新潟中越地震で被災したある保育園の保育士の詩だ。3月11日の東日本大震災の地震当日は、横浜YMCAでも保護者の迎えを待つ子どもたち80人、 スタッフ300人が翌朝まで、YMCAに泊まり、この詩のような体験をした。心配顔でお迎えに来た保護者が、すやすや寝ている姿や屈託無く遊ぶ姿に、 癒されたという声を聞いた。 阪神淡路大震災以降、毎年のように起きる災害の被災地では、多くのボランティアが 活躍し、支えられた方々が次の被災地を支える拡がりを見せている。私もいくつかの 被災地を訪ねた中で、子どもが元気に遊び笑う姿に、全て失った人たちに笑みが広がり、心が癒されていく姿を見た。被災地以外でも、子どもの心は怯えている。子どもは、思い切り遊ぶことが心の癒しになる。多くの人の励ましや優しさに触れ、他者の痛みを知り、人のつながりと支えあう姿を見せ、豊かに育っていく。
子どもの笑顔をひろげよう。子どもの笑顔は、未来をつくり、希望を生み出す。
(横浜YMCA総主事 田口 努)