「真っ白な心」
どろどろだった道も畑も
赤や黒い屋根も看板も
すべてを一夜にして
真っ白にしてしまう。
自分の心も
雪のように真っ白にしたい
ある年の雪の少ないスキーキャンプで迎えたクリスマスの夜、キャンドルサービスをしながら、イエス様の誕生を示すクリスマスカラーの三色からクリスマスの意味を考える話をした。緑は、冬でも枯れることがない常緑樹の緑から、いつまでも大切な永遠の命を表している。赤は、キリストが十字架に架けられて流した血の色であり、情熱や愛情を表している。白は、汚れた心や罪を、雪のように真っ白で清い心になることを表している。自分のことだけでなく、友達、家族、支えてくれる方々に感謝して生活すると雪のように真っ白な心になる。そしてクリスマスは、イエス様の誕生日なのに、みんながプレゼントをもらうのは何故かを考えた。イエス様は、自分のことより、みんなが喜ぶことを喜ぶから、みんながもらって喜んでいる姿に喜ぶのかもと話していた時、「雪が降ってきた」と声が上がった。ある子が「本当だ、みんなの喜びを喜ぶ神様からのプレゼントだね」と言った。「本当だね」と心に残る聖夜の降雪だった。翌朝、一面が白一色の世界となっていた。喚声をあげる子どもたちの中から、「すごいねぇ、人間がいくら白くぬっても、こんなにできないね。全部まっ白だもん。しかもふわふわ。神様は、すごいねぇ」と声が出た。みんなと共に心から喜んだり、人のために祈ったりすると心の中がこんなに真っ白になるという昨夜の話を思い出してくれた。他者のために祈り、雪のような白い心で、クリスマスを、新年を迎えたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)