2010年6月8日火曜日

総主事コラム「こもれび」2010年6月

「不思議な力」

「夜明け」
夜と昼のさかいめに
東の空を赤いえのぐでうすくぬる
全部の空が喜んで南の山をてらしだす
星はちり日がてらす草花ざわめき風をよぶ
みんなめざめろ みんなめざめろ
(当時小5 岡田佳子)

「思い出」
しずかに 目をとじると 思い出がでてきて
いろいろな 気もちをよみがえらせる
思い出は ふしぎな力
キャンプでね みんな楽しく 学びましょ
(当時小3 中島領子)

YMCAキャンプに参加した子どもたちの文集に掲載されていた詩だ。岡田さんは、4泊5日を大草原でのテントで生活し、早起きして見た夜明けを詩に書いた。寝袋で大地に寝て、自然を豊かに感じたようで、他にも「空がうたう」「一つの花の歌」などの詩を書いている。もう一人の中島さんは、長い作文の最後にこの詩を書いている。その作文には、キャンプで自分だけではできないことが友達と協力してできたことの喜びや、日常がいかに多くの人に支えられているかという大きな気づきと学びがあったことが綴られている。「目をとじるといろんな思い出がとびこんでくる。一杯ありすぎて、頭の中がごちゃまぜになっちゃう。いろんな気もちがこみあげてくる」と書いている。そして、それをふしぎな力と記している。学校でも、家庭でも体験できない新たな仲間と大自然の中で過ごすキャンプは、子どもたちに生きる力となるふしぎな力をたくさん与えてくれる。この夏もYMCAのキャンプで、多くの子どもたちが自然に、自分に、仲間に、感動することだろう。
(横浜YMCA総主事 田口 努)