そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。
( ヨハネによる福音書 20章19節 )
かつて日本が引き起こした大きな戦争が終わった記念日のある8月は、1年のうちでも「平和」について考える季節です。ホサナでも「平和」をテーマにした絵本を子ども達と一緒に読み、平和について考える時間を持つようにします。
私の両親はすでに他界してしまっています。父も母も昭和の初めの生まれですが、父は江田島への入学に憧れていた若者として、終戦を迎えました。そんな父から影響を受けて少年時代を過ごしていますから、子ども頃に作った模型はというと、軍艦だったり戦闘機だったり、おまけに父が時折、レコードで聞いていた軍歌も口ずさむほど覚えてしまったり。もし、今の子ども達に混じって当時の私がいたら、きっととんでもない子ですよね。
母からは逆に、終戦の間際、山梨県甲府市が襲われた空襲で、9人兄弟の末弟を自宅で亡くした話を聞きました。母が16歳、叔父にあたるその人が12歳の時だと聞きました。私の知る限り、肉親が戦禍で命を落としたのはその人1人だけですが、空襲でみんなが暮らしていた甲府の町はほとんどが消失し1,000名以上が亡くなったんだそうです。
海軍軍人に憧れた父、戦禍で弟を亡くした母。私のように戦争にまつわる体験談を直接聞く機会を最近の子ども達はもうないのではないでしょうか。かつて日本が起こした戦争が終わって69年目を迎えます。戦渦に巻き込まれていないという意味では、確かに私たちは平和の内に暮らしているかも知れませんが、世界に目を向けると未だに戦火が続いている国や地域があります。
難しいことかも知れませんが、「平和って何?」と考えるきっかけを、みんなが持たなくてはいけないことだと思います。
さて、梅雨の最中でしたが、今年もパイン組の子どもたちが楽しみにしていた富士山YMCAでの一泊キャンプに行ってきました。指折り数えてキャンプの日が来るのを楽しみにしていたパイン組の子どもたち、富士山麓の西臼塚の森の中で遊んだ体験や富士山YMCAの草原を走り回った体験。楽しかった想い出をずっと大切にして欲しいと思います。
ほぼ例年通りに明けた今年の梅雨、当初の予報では涼しい夏になると言うことでしたが、数日前にその予報もいつもの夏と同じように暑くなる予報に変わりました。暑い毎日、子どもたちは、園庭に設けたプールで涼を感じながら過ごします。乳児も幼児も水浴びをします。空調を効かせて、ホサナの中は過ごしやすくしていますが、夏を感じる楽しい遊びで思い出を作りながら元気にすごすことができています。
(YMCA厚木保育園ホサナ 野澤 ひらく)