2014年1月9日木曜日

総主事コラム「こもれび」2014年1月


「新しい朝」

おまへの心が 明るい花の
ひとむれのように いつも
眼ざめた僕の心に
はなしかける

ひとときの朝の
この澄んだ空 青い空
傷ついた 僕の心から
棘(とげ)を抜いてくれたのは
おまへの心の あどけない
ほほえみだ そして
他愛もないおまへの 
心のおしゃべりだ

ああ風が吹いている
涼しい風だ
草や 木の葉や せせらぎが
こたへるように
ざわめいている

あたらしくすべては生まれた 
露がこぼれて
かわいて行くとき
小鳥が 蝶が 昼に高く舞いあがる 
(「朝に」詩 立原 道造)

 新しい年がはじまった。今年も初日の出をご覧になった方も多いのではないかと思う。毎日必ず朝があり、毎日必ず日の出がありますが、新年の日の出は特別な気持ちになるから不思議だ。時のはじまりは、朝であるので時を感じる時なのだと思う。聖書の最初にある創世記の天地創造では、第一日目に神が創られたのは「光であり、光を昼、闇を夜と呼ばれた」と記されている。まさしく時が誕生した瞬間が朝であり日の出であり、いのちの源を感じる時だ。
 できれば、この新年の新しい気持ちを日々持ち続けたいと誰しも思う。昨年も多くの災害があったが、多くの喪失感にさいなまれた方々が、家があり、家族があり、仕事があり、地域の仲間がいる何気ない日常こそが「しあわせ」なんだと語っていた。そして、「新しい朝をありがとう」と祈ることが多いと聞いた。新生の朝を日々感じる一年でありますように。
総主事 田口 努
写真はSC Johnson・横浜YMCA東日本大震災復興支援 富士山ニューイヤーファミリーキャンプ