「平和を創る」
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられない なんて
そんなのは いやだ
今を生きる ことで
熱い こころ 燃える
だから 君は いくんだ
ほほえんで
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも
(詩 やなせたかし*一部抜粋)
東日本大震災の被災地でラジオのリクエストで多かった曲は、この「アンパンのマーチ」だった。私も瓦礫が残る被災地で、子どもたちとこの曲を歌い涙が止まらなかったことを思い出す。先月亡くなられたこの曲を作詞したやなせさんの追悼番組や記事が数多く出ている。三越の包み紙のデザインをしたとか意外な報道が多い。
中でもアンパンマンの初期は、おじさんで、戦争中の子どもたちに敵味方関係なくアンパンを届けるものだった。そして、戦火の子どもたちに空からパンを投下し、子どもたちの喜びとともに悲しみがあふれた。戦闘機と過って撃ち落とされてしまうという悲劇であった。その後、自らの顔の一部を差出し、飢えている人を励ますアンパンマンとなっていた。
この話や詩の背景には、22歳で特攻隊として亡くなったやなせさんの弟さんへの思いがあるといわれている。本当の正義の味方、ヒーロはかっこいいものではない。特攻隊で亡くなった弟の死の意味を考え続けてできた詩だと思って、全文を読むと胸が熱くなる。二度とあの戦争をおこさないで、本当の生きる意味を考えてほしい、平和の願いが伝わる。
11月は、横浜YMCAの平和月間だ。平和は創るもの、共に、平和を考え続けよう。
総主事 田口 努
写真は昨年に韓国や台湾、タイなどから寄せられた平和のメッセージ