人間は人間同士が交わることを
喜びに感じ合っていなければ、
健康に幸福に生きていくことは
できないのです。
人間は他者と喜びを十分に共有し
合った後でなければ、
他者と悲しみを分かち合うことは
できないのです。
他者と喜びや悲しみを分かち合う
ことができなければ、
私たちは社会的な存在にはなれないのです。
非社会的な状態とはそういうことを意味しているのです。
現代社会は、子ども、若者、大人も喜びを感じ合って
生きることができる場や機会を見失ってしまいました。
そういう空間や時間を共有し合うための活動が、とても大切です。
(児童精神科医 佐々木正美)
横浜YMCAのホームページのブログには、毎月各YMCAからの活動報告が掲載される。6月は、学童や保育園の花の日の活動報告が多かった。花の日に、多くの恵みに感謝し、その思いをもって、人々の生活を支えてくださる方々、消防署、駅、交番などへ感謝の花を届ける。そして病院や高齢者施設などに励ましの花束を届ける。
小さな手に花束を握りしめて、街の中を歩く姿は、りりしくもかわいらしい。整列して感謝の思いを伝え届けると、もらった方々は、満面の笑みがあふれる。緊張していた子どもたちもその笑顔に、安心の笑顔が広がる。喜んでくれることが、只只嬉しい子どもたち。人の喜びが自分の喜びになる体験をした子どもたちは「喜んでくれたね」と友達と嬉しそうだ。このような経験を心に積んでいくと、喜んでくださった方が今は病気らしいと聞くと、痛みを感じるようにお祈りしたりする。
こんな小さなことから共感する心、共に喜び共に悲しむ心が育つのだと思う。
総主事 田口 努
写真は東かながわ保育園の花の日から