「空を見上げて」
空、きれいだな
青い画用紙に
白いクレヨンで
雲がかいてある
空って不思議
空はどこまで続くのか
空には赤い風船うかんでる
空には何があるのかな
空というプレゼント
神様がみんなに
くれたプレゼント (豊間小学校4年(当時)鈴木姫花)
豊間小は、福島県いわき市薄磯海岸にあり有名な海水浴場で、私も子どもの頃、毎年通った懐かしい場所だ。近隣に塩屋崎灯台もある。この詩を書いた姫花さんは、灯台の絵を描くなど2枚の絵がコンテストで入賞している。「灯台」の絵を見ると、空の海との間に堂々と描かれている。しかし、その絵のように灯台が現実に見える場所は無く、姫花さんのお父さんは「まるで、天国から見ているような絵だ」という。もう一枚の「学校で一番大きな木」は、枝のいたるところから子ども達や鳥や動物たちが楽しそうに憩う絵で、木の上に、虹がかかっている。
この詩が書かれたのは、東日本大震災の10日前だった。震災時に、薄磯海岸は、津波が襲い集落事流されてしまい姫花さんも下校途中で犠牲となった。お父さんは、空や虹を見ると姫花さんが、空から私達を見守っているような気がすると語っている。『神さまがくれたプレゼント』として、空や夜空を見上げると、永遠の命や神の存在を感じ、希望に繋がるようだ。
横浜YMCAでも2月から3月にかけて震災を忘れない活動を展開するが、今年も希望の凧揚げも計画中だ。空を見上げて、凧を揚げると凧糸が空〔天〕に繋がっているように感じる。凧があがるように心を高く上げて、希望を見出す働きを続けていきたい。
(横浜YMCA総主事 田口 努)
*写真は鈴木姫花さんの灯台の絵(ホームページから)