2012年6月6日水曜日

総主事コラム「こもれび」2012年6月




「自然の不思議を」


子どもといっしょに
自然を探検するということは
すべてのものに対する
あなた自身の
感受性に
磨きをかけるということです。
(レイチェル・カーソン)

 あきらめかけていた雨間をついて見えた金環日食の感動を家族で味わった人も多かったようだ。雲から透けて金環日食が見えた瞬間、近所のあちらこちらから子どもたちの「見えた、見えた」の歓声が聞こえてきて嬉しかった。壮大な自然の不思議を見て、感じた興奮を家族で共有できたことは、何時までも子どもたちの心に残ることだろう。
 このところ、晴天に突然の豪雨、雷で驚かされるが、晴れ間が戻り始める時に、虹が各地で観測され、家族や仲間、道行く人々と空を見上げて、「虹、きれいだね」と子どもや大人の声も弾み、嬉しい瞬間だ。家に帰り、「今日、虹見たよ」と家族の会話も拡がって欲しい。自然の不思議を子どもと共に探検することは、あなた自身と子どもたちの感受性に磨きをかけることだと『センス・オブ・ワンダー』の著者レイチェル・カーソンは言う。
 梅雨の季節だが、幼稚園や保育園では、雨上がりの水たまりの泥遊びは大人気。花や虫など動植物も元気だ。梅雨も自然の不思議を豊かに感じる季節と捉えて、子どもたちと雨の中の自然を探検したい。
 梅雨を後には待ち遠しい夏がやってくる。子どもたちに、満天の星空を見ながら大地で寝ころんで地球を感じる体験、全身での川遊び、大草原、大海原を駆け回り、泳ぎ、潜り、自然の不思議を豊かに感じる心を育む体験をしてほしい。家族と、そして多くの仲間との自然の不思議を体験できるキャンプや野外活動は、他者を思う感受性も育ててくれる。
(横浜YMCA総主事 田口 努)
*写真はYMCAグローバルキンダーのサマーキャンプ