2012年3月9日金曜日

総主事コラム「こもれび」2012年3月


「命の輝き」


どんなにつらいことがあっても
命の輝きは忘れないで欲しい
どんな壁にぶつかってもいい
決してあきらめなければ
どんな障がいや病気をおっても
いつか自分の努力を
多くの人に伝わればいい
それは、字でも言語でも気持ちでも
心でも手話でも点字でもいい
自分の表現の仕方があればいい
その努力がいつか
多くの人達に伝わって
日本から世界に伝わるまで
命輝き続けよう
(「命輝く時間(とき)」詩・沢田さゆり)

 間もなく東日本大震災から1年。その1カ月前の2月11日に福島県郡山市と猪苗代町で、知的発達障がい者のスポーツ大会、スペシャルオリンピック冬季大会が開催された。その開会式で、福島県選手団の一人沢田さゆりさんのこの詩が、女優の名取祐子さんに朗読されると会場が一体感で包まれたという。震災、原発事故で開催が危ぶまれたが、有森裕子大会長らの「スポーツを通して被災地に希望を届けたい」との思いと多くの支援者の熱意で開催された。
横浜YMCA内に事務所を置くスペシャルオリンピックス神奈川にも、各地のYMCAプール、施設、そして企業も練習場所で支援している。被災前から、練習場所だけでなく、様々な偏見や困難の中でスポーツを続けてきた彼らは、日々の努力の積み重ねが壁を乗り越える力となることを知っている。そんな彼らが命を輝かせ、被災地に希望の光を届けた。この一年、自分の出来ることで様々な支援の輪が拡がった。
 横浜YMCAは、次年度も被災地支援活動を継続するが、被災地にある方々も、日常の活動に参加する方も、それぞれが神様から与えられた命を輝かせる時間となるよう努めていきたい。
       (横浜YMCA総主事 田口 努)