ちいさい願いが
鐘につたわり
鐘の音となって
大きな響きとなり
心に響く
仲間と共に聴いた鐘の音が
100年後の人々の
心に響きますように
平和の願いが響きますように
平和でありますように
平和を創る人になりますように
5年前の125周年では、横浜YMCAを生み出した横浜海岸教会の鐘が125回鳴り響いた。この鐘は、139年前に海岸教会の設立を祝い、共立女学院の宣教師メアリー・ブライアンさんが寄贈したものだ。関東大震災時に教会は全焼したが、鐘は2日後に焼け跡から見つかった。戦時中は軍への供出を迫られたが教会の人々が守り通し現在に至っている。
横浜YMCAを創立した横浜海岸教会の5人の青年たちの心に響いた鐘の音を125年の時を超えて聴くことができ喜びがあふれた。鐘の響きが創立の時の思いを呼び起こしてくれるような気がした。
5年後の今年、その鐘を共に聞いた韓国・光州YMCA、中国・上海YMCAから130周年を記念し鐘が贈られた。鐘は韓国で作成され横浜YMCAが運営する野外教育施設富士山YMCAに届いた。国同士の関係が揺れ動く時も長年市民レベルで交流している3都市のYMCAの仲間が、未来も家族のように親しく平和を創っていこうという願いが込められた鐘だ。
富士山YMCAに集う子どもたちや人々に、そして100年先の子どもたちにも平和を願う鐘の音が心に響くよう願っている。鐘には「すべての人を一つにしてください」と英文で彫られている。その思いを胸に平和を創り出す人になりますように。
(横浜YMCA総主事 田口努)